「革新幻想の戦後史」を読む
極めて面白い本。特に、安保闘争や全共闘を知らない(僕のような)世代で、ポリティカルな思念とは別世界で社会維持のために日夜苦闘している実務人は、マスコミや評論家先生が日々放射しているご高説に「胡散臭さ」を感じている。その違和感の源流がどこにあるのかを解説してもらえて、すっきりする。
現代の社会は、「知性自慢」の人が個人で考察・分析できるような単純なものでは既にない。社会を日々維持するために必要な組織・構造になじめず、「個人の知」を過度に称揚して文化人の枠に逃げ込んでいるような人が、自らの価値を証明したくて、電波、新聞、ネットで偉そうなことを言っている。
本書は著者の自分史でもあるが、戦後思想のアウトラインについて整理して読める本でもある。その点では、分野が違うが、今野浩の「工学部ヒラノ教授」とも読後感が似ている。今野も竹内とほぼ同世代であり、大学拡充の波に乗って主流派とはすこし外れた分野でアカデミズムのポストを得た。彼らはそれぞれの分野から、戦後の思想(竹内)、経営科学(今野)を見つめてきた。
本書の中にも「オペレーションズ・リサーチ」の言葉が出てくる。通常の教育学者には理解できない語彙であろう。サラリーマンの経験がある竹内ならではである。
竹内洋と今野浩が同じページに出てくる記事を見つけたので、備忘として貼っておく。
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